日本古代史関係研究文献目録データベース
小口雅史編
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2961. 大友 幸男 日本
神話
とアイヌ語地名|「稲佐山」から「千早城」まで|『倭人伝』とアイヌ語地名|「部」のつく古地名|「ユーカラ」の神々|古代信仰とアイヌ語地名|狩猟採集と地名|「双子地名」の話|三陸の片仮名地名|東京周辺のアイヌ語地名|近畿地方のアイヌ語地名|「万葉集」にみえる古地名|「鬼」と「山姥」の地名|「河童」の語源は?
刊行年:1995/06
データ:『日本縦断アイヌ語地名散歩』 三一書房 実習編(前)
2962. 大谷 光男 中国関係(『春秋』『漢書』『後漢書』の日食周期|『後漢書』の日食記事と「漢委奴国王」印|「魏志」の日食記事からみた「魏志」倭人伝|『宋書』の日食記事からみた『宋書』倭国伝)|朝鮮関係(『三国史記』の日食記事|延烏郎・細烏女の
神話
|三国時代の年号と金石文|百済武寧王・同王妃の墓誌)
刊行年:1976/05
データ:『古代の暦日』 雄山閣出版
2963. 林屋 辰三郎 はしがき|杜(もり) 農耕文化の誕生(「神武東征」の意味|東アジア世界の波紋|民俗の考古学)|前方後円墳 楯状の伝統(古墳の形成|服属の儀礼|「河内王朝」論)|伽藍 内乱と思想(継体・欽明朝の内乱|仏教と
神話
|「柱」の文化)|国史 官司と記録(修史の条件|「革命」の気運|律令国家の碑)|都城 律令制の文化類型(都城生活の成立|平城京と外京|平安京の春秋)
刊行年:1971/12
データ:『日本の古代文化』 岩波書店
2964. 北郷 泰道 古代日向の陰影|火山と海洋の間で(自然と人間|石の匠たち|土器革命|縄文の憂鬱)|稲穂は実ったか(南九州にとっての米|権威と象徴|土の上に風の中に|遥かなクニ)|鉄は熱いうちに(石と土のモニュメント|首長たちの盛衰|地下式横穴墓の時代|権力と財力)|幻想としての国家(
神話
の中の南九州|熊襲・隼人の原像)
刊行年:1994/08
データ:『熊襲・隼人の原像-古代日向の陰影』 吉川弘文館
2965. 森 浩一 海道と島々を考える(貝の交易|土地の認識と島々の名称|黒曜石と北東アジア交通網|越と越洲-船で行ける場所)|変貌する河内と摂津-国産み
神話
の鍵(八十島祭と二つの「生」郡|長屋王木簡と大八洲の祭祀|神武東征と難波碕・河内湖の地形|仁徳紀の河内湖の治水と都市づくり|「堀江」と大川-蘇る古代の都市計画)
刊行年:2007/10
データ:『古代史おさらい帖-考古学・古代学課題ノート』 筑摩書房 土地の見方
2966. 水林 彪 石井紫郎『日本国制史研究Ⅱ 日本人の国家生活』,東京大学出版会,1986|石井良助『天皇』弘文堂,1950(山川出版社,1982)|石井良助『日本不動産占有論』創文社,1952|中田薫「王朝時代の庄園に関する研究」『国家学会雑誌』,1996|中田薫『庄園の研究』彰考書院,1948|洞富雄『天皇不親政の伝統』新樹社,1984|水林彪『記紀
神話
と王権の祭り』岩波書店,1991(新訂版,2001)
刊行年:2003/12
データ:『日本史文献事典』 弘文堂 第Ⅰ部
2967. 田中 卓 天神(ヒ)と地祇(モノ)との対立と調和|弥生文化を担つての東進|天のホヒの命の所伝|ニギハヤヒの命の所伝|神武天皇の御東征|ウル邪馬台国から邪馬台国へ|綏靖天皇以後、開化天皇までの皇統譜|崩年干支・在位・宝算について|崇神・垂仁天皇の御世|
神話
と歴史との関係|崇神天皇から神功皇后へ|神功皇后の朝鮮出兵|仁徳天皇から雄略天皇へ-〝倭の六王〟について|稲荷山古墳出土の刀銘
刊行年:1992/05
データ:『日本国家の成立』 増補版(国民会館叢書2,国民会館,1992/07) 田中卓著作集11-Ⅱ私の古代史像-付総目次
2968. 直木 孝次郎 古墳と豪族(文献にみえる各地域の豪族)|大和政権の進出と文化の展開(大和政権の進出|政治と文化の展開〈顕宗・仁賢両天皇の出現|開発の進行と有力氏族|法隆寺領の成立|交通の発達〉|
神話
と伝説)|律令制の社会(律令制と民衆|産業の発達と社会の実情〈農業の発達|漁業・製塩業の発達|鉱業・手工業の発達|商業の発達|律令税制の展開|正税帳と木簡〉|社会の変動|宗教と文化〈神社制度の整備|悠紀・主基の国々〉)
刊行年:1974/03
データ:『兵庫県史』 1 兵庫県
2969. 梅沢 伊勢三 記紀の成立(記紀の時代|古事記の成立|日本書紀の成立|記紀以前の古文献|古文献の文体|古文献と記紀との関係|記紀の古さ|口誦の時代|記紀の時代的性格)|国家
神話
の成立過程(
神話
の変貌|始祖神の出現|国生みの物語|神々の出生|天照大神|スサノヲノミコトと大国主神|天孫の降臨と国土の奉献|海幸山幸)|民俗説話の政治的変貌(説話の政治的変貌|記紀歌謡の作者|天子の徳|皇位の相譲|書紀の詔勅|天皇の暴虐|言依しの絶対化)|血族国家観の完成(氏族組織の推移|記紀の氏族の時代的性格|氏族皇系化の傾向|タケウチノスクネの系譜|同族国家観の発達|氏族の新陳代謝|地方部族の統合)|記紀の時代的背景(文献としての記紀の性格|皇権の拡張|動揺する皇位|皇命絶対化の傾向|国粋主義の動き(一)(二)|旧記から古事記・書紀への推移)|あとがき
刊行年:1957/11
データ:『古典とその時代』 Ⅰ 三一書房
2970. 大友 幸男 「三内丸山」とアイヌ語|「巨木遺構」と「鳥居」|発見された「土屋根の家」|「梟神」と「遮光器土偶」|「船型埴輪」と「諸手船」|『倭人伝』とアイヌ語地名|「日本
神話
」とアイヌ語|「因幡の白兎」の謎|阿倍比羅夫と「渡島の蝦夷」|クマ狩り族と「虜」|古代人と「木」の信仰|「恵比寿」信仰|庶民信仰とアイヌ信仰|「敷居」と「ドギ」|「馬産」と「焼畑農業」|「河童」あれこれ|「ユーカラ」の話
刊行年:1997/10
データ:『日本のアイヌ語地名-東北から沖縄まで』 三一書房 歴史・民俗編
2971. 古橋 信孝 西郷信綱『古事記注釈』全4巻,平凡社,1975-89|西郷信綱『
神話
と国家』平凡社,1977|西郷信綱『古代の声』朝日新聞社,1985|西郷信綱『壬申紀を読む』平凡社,1993|西郷信綱『古代人と死』平凡社,1999|佐竹昭廣『万葉集抜書』岩波書店,1980|土橋寛『古代歌謡と儀礼の研究』岩波書店,1965|土橋寛『古代歌謡の世界』塙書房、1968|土橋寛『万葉集の文学と歴史』塙書房,1988|古橋信孝『古代都市の文芸生活』大修館,1994|古橋信孝『平安京の都市生活と郊外』吉川弘文館,1998|古橋信孝『和文学の成立』若草書房,1998
刊行年:2003/12
データ:『日本史文献事典』 弘文堂 第Ⅰ部
2972. 吉村 武彦 石母田正「古代貴族の英雄時代」『論集史学』三省堂,1948(岩波現代文庫『
神話
と文学』2000)|石母田正『歴史と民族の発見』東京大学出版会,1952(平凡社ライブラリー,2003)|石母田正『続 歴史と民族の発見』東京大学出版会,1953|石母田正『戦後歴史学の思想』法政大学出版局,1977|井上光貞「大和国家の軍事的基礎」『日本古代史の諸問題』思索社,1949|井上光貞『日本国家の起源』岩波新書,1960|菊地康明『日本古代土地所有の研究』東京大学出版会,1969|吉村武彦『日本古代の社会と国家』岩波書店,1996|吉村武彦『古代天皇の誕生』角川書店,1998
刊行年:2003/12
データ:『日本史文献事典』 弘文堂 第Ⅰ部
2973. 井上 秀雄 初期の朝鮮(原始社会〈旧石器時代|新石器時代から鉄器時代へ|原始共同体〉|古朝鮮〈〝古朝鮮〟と〝朝鮮〟|檀君
神話
|箕氏朝鮮|朝鮮民族の起源|衛氏朝鮮〉|漢人支配と自立への道〈衛氏朝鮮の滅亡|漢の郡県支配|後漢の異民族支配と郡県支配の変質〉|高句麗の発展〈遼東太守公孫氏と初期高句麗|後漢王朝の廃滅と偽の進出〉)|原始国家の形成(小国家群-馬韓・弁韓・辰韓〈『魏志』倭人伝|いくつかの疑問|韓族地方の風土|韓族の社会〉|楽浪・帯方二郡の滅亡〈二郡滅亡の経過|二郡滅亡の影響〉|高句麗の南下と広開土王陵碑〈五胡十六国時代と高句麗|広開土王陵碑〉)|三国の興亡(1)(百済と倭〈伯済国と百済建国
神話
|中国王朝との冊封関係|『宋書』と百済の〝遼西支配〟|国際関係の中の邪馬台国|大和朝廷と南朝鮮|『百済本記』『百済記』と任那日本府〉|百済の盛衰〈国家的発展と王位継承|王城の陥落と政治・社会構造|百済再興と新たなる発展|東城王と南方への領土拡大|五世紀東アジアの国際秩序体系|官僚制への移行と東城王の殺害|『百済本記』『日本書紀』による百済と任那|大和朝廷と百済|高句麗・百済との抗争〉)|三国の興亡(2)(新羅の台頭〈辰韓の斯盧国と新羅建国
神話
|斯盧から新羅へ|五世紀の新羅|倭について|智證麻立干の時代|法興王の時代|仏教の伝来|征服王朝の全盛期-真興王と国史の編纂|異斯夫と山城の築城|于老伝説|倭・高句麗との関係|真興王の四碑〉|新羅と百済の文化を訪ねて〈新羅の文化|百済の文化〉)|統一戦争(隋の統一と朝鮮三国〈隋への朝貢と抵抗|仏教の興隆と国史編纂|隋煬帝の高句麗出兵〉|唐と七世紀前半の三国対立〈唐太宗の対外強硬策|泉蓋蘇文のクーデターと高句麗の軍国化|唐の新羅救援と高句麗出兵|新羅の内乱と政治改革〉|新羅の統一戦争と律令体制の成立〈百済・高句麗討滅戦|対唐戦争|地方豪族・下級貴族と律令体制|〝倭〟から〝日本〟へ-国号改正記事について〉)|統一新羅(律令時代〈新羅の統一と兵制の変遷|律令制と官制|地方行政と九州・五京制|律令田制の沿革|恵恭王代の内乱〉|骨品制度の形成〈骨制の成立|元聖王時代|金憲昌の乱|頭品制の成立〉|後三国と新羅の滅亡〈王権の争奪|弓福の活躍と藤原政権の新羅政策|後三国の興亡|古代朝鮮〉)|古代朝鮮史年表|あとがき
刊行年:1972/11
データ:『古代朝鮮』 日本放送出版協会 現代のエスプリ107
2974. 菊池 克美 序|遊学雑記(都立大法学部聴講生|都立大大学院聴講生|渡仏、ペリオ文書の閲覧|帰国、東文研研究会その他|教育大文学部聴講生|大学院聴講生から研究生へ|敦煌文書始末|不思議な出会い|『歴史評論』編集幹事|田中先生とその感性|『歴史評論』の人々|『歴史評論』からの離脱|教科書訴訟とのかかわり|漢籍コーナーとお茶大歴史研究室|家永先生との対話|竹内先生の聞き取り|結び)|学問彷徨(夏目漱石と森鷗外|稲荷山鉄剣銘文|家永先生の歴史学|在野学者加藤泰造|坂本先生と家永・青木両先生|古老伝承と刀禰|記紀の文化史的評価|天皇および天皇制|敦煌戸籍の一問題|慣習法と古代法史|「
神話
」と古代史|僧尼令は継受法にあらず|青木先生からの便りと二人の秀才|学恩|家永三郎先生|青木和夫先生)|あとがき
刊行年:2020/07
データ:『学問彷徨』 比較文化研究所
2975. 森 浩一 『古事記』の構造(太安万侶とその墓|『古事記』序文の人(神)名と時代区分)|倭人=「呉の太伯」の後裔伝承の重要性(倭人と文身ー「華中の王」始祖伝説|記紀の基本構想としての「神武東遷」|日本
神話
の骨組みの大切さ|宣教師の「神武天皇=太伯子孫」説)|複数の「倭人」の存在(二つの九州島-華北ルートと華中ルート|二つの九州人-倭人と東人|女王国vs.狗奴国(=後の熊襲))|南九州を考える(熊襲(曽)はどこにいたか-「襲」(曽)の重要性|串間(宮崎県)から出土した玉壁|九州の前方後円墳を考える|球磨の金鏡|熊襲戦争と肥後の俘囚料(鞠智(菊池)城の役割/熊襲に備えた俘囚と肥後の俘囚料)|海を渡る倭人たち(曹操宗族墓で発見された「倭人字磚」|中国側の徐福伝説|日本各地に残る徐福伝説)
刊行年:2007/10
データ:『古代史おさらい帖-考古学・古代学課題ノート』 筑摩書房 「人」の見方
2976. 井上 秀雄 古代東アジアの文化交流(歴史研究の目的の変化|文化史研究の新しい視点|古代の韓国・朝鮮文化と日本文化)|開国
神話
の多様性|祭祀儀礼の受容(高句麗の祭祀儀礼|新羅の律令制と祭祀制度)|仏教受容の諸相(仏教公伝|仏教受容と神観念)|律令体制の形成(新羅律令体制の成立|百済の律令体制への変遷)|文字文化の展開(文字文化での問題点|中国周辺の諸民族と漢字文化|高句麗の文字文化受容の特徴|百済における文字文化の受容|新羅金石文での変容|日本の文字文化の成立|ハングルの成立|漢字文化から民族文字文化へ)|古代東アジアの文字(中国での文字の変化|韓国・朝鮮での文字の変化)|古代日本の金石文|古代朝鮮の金石文(中国金石文の特徴|高句麗広開土王碑文の意義|五~六世紀の主要な金石文|統一新羅時代の金石文|高麗・朝鮮時代の金石文|日本金石文との比較)|都城の形成(古代中国の城郭史|古代朝鮮の城郭と都城)|城郭-村落の構造(古代朝鮮の城郭史|日本と朝鮮の城郭の比較研究|中世以降の日本の城と朝鮮の城郭)|日本の天皇像と古代朝鮮の王者像(文化受容と東アジア史|『古事記』・『日本書紀』の構成と史観|『三国史記』・『三国遺事』の構成と史観|祭祀を通じてみた古代朝鮮の王者像|祭祀を通じてみた日本古代の王者像)|本書に関連する主要な自著一覧
刊行年:1993/10
データ:『古代東アジアの文化交流』 溪水社
2977. 足立 尚計 トラ-将軍吉宗遺品というトラの爪 神であっても異国の畏怖の存在|オシドリ-夫婦の鏡、契りの祝い鳥 「おしどりのひとりね」は淋しい|ネコ-『本朝和名』で「家狸」と呼んで 怪談で有名だがやはり「招福」だ|カバ-しゃれから生まれた壁画の飾り いまは玄関先で千客万来演じる|ウサギ-愛きょうあるしり合わせの家紋 鳥ではないが「一羽」と数える|トンボ-「勝ち虫」と縁起をかついだ武人 古くから親しまれ語源には諸説|エビ-残る福井藩・吉久作の鉄製置物 長寿の印曲がった腰と長いヒゲ|タヌキ-地域や時代を超えファン絶えず 人間社会でがんばる姿に親しみ|キジ-恋も自然の中でこそふさわしい 「足羽の神の使い」でなじみ深い|キツネ-古来、人を惑わすと信じられた スマートな姿、神秘の権威十分|カマキリ-カマ振り回す野原の“ギャング” 日本には八種類、漢方薬に利用|コイ-立身出世の魚として古来貴ばれ 春嶽が竜門目指せと硯箱与える|シカ-丸い糞かたどり焼き物の土産品 哀しい鳴き声は歌人の歎き今に|ネズミ-語源は夜に活動する怪しい動物 若い女性はモルモットを想像?|カニ-語源は「赤い背中を持つ動物」か 「修行の為だ」と食べない宮司の家|フグ-猛毒秘めながらひょうきんな姿 鉄さ・鉄ちりは関西らしいトンチ|カエル-要らない進化ををとげた例なのか 丸く太った体形のカナヅチ組も|イヌ-ふっくらした身体が日本画にも 雪中で駆けっこする姿は風物詩|クジラ-ほぼ永久に姿消した伝統的食材 観光ツアーが人とのつきあいに|イカ-古くはカラスと死闘を繰り広げ 今は恋人たちを楽しませる味に|タコ-「悪魔の魚」なんてもってのほか 食べるのもかわいそうなくらい|シャチ-クジラやイルカの仲間の哺乳類 同類を食い物にして生き延びる|マンボウ-クラゲを常食として生き延びる ひょうきんな体形の「魚の王者」|カケス-カラスの仲間だが小柄で美しい 他の鳥のまねや人の言葉をまねる|カメ-浦島伝説から「めでたさ」を認識 長寿で縁起物によく使われる|サギ-雪深い日にも元気に突っ走る JRの特急列車「しらさぎ」号|クマ-民間薬として重宝された熊胆 殺すと山が荒れるとの俗信も|イノシシ-野性味が豊かな秋の味覚の王者 『日本書紀』には弑逆事件で登場|ムカデ-武運の神使で、福の神と仰がれ 信玄騎馬軍団の旗指物にも描く|ゾウ-若狭に来た足利義持への献上品 仏教絵画や量感のある作品にも|ニワトリ-「五徳」を表現した中国の雅楽 ほのぼの夫婦愛描いた藩主夫人|スズメ-『古事記』の時代から穀物と縁 平安貴族では「子飼い」流行|ウシ-古い時代では肉より力を頼りに 信仰上も神使として大切にした|ハマグリ-女房に化けて昔話や草子に 中国の古伝承で蜃気楼もつくる|ホタル-身をこがす恋の光と和歌に詠み 中国では「蛍雪の功」のたとえも|タイ-古代人は容姿から「赤女」と呼び 呪力ある神聖な魚として神饌に|アユ-運動不足で図体デカイ養殖もの なぜか現代の我々と重ねて見る|キンギョ-戦国時代ごろ観賞用として渡来 今は熱帯魚の流行でエサ金に|ツバメ-夫婦仲良く子をよく育てて勤勉 軒先の巣作りも歓迎し保護した|イルカ-頭よく快適に泳ぎクジラに属す シャチへと変わったという話も|ツル-三鳥といわれ武家社会で最高肉 徳川将軍の鷹狩りで第一の獲物|ヘビ-
神話
も多く神と畏怖の両面あり 夢に現れると「吉兆」との信仰も|ブタ-縄文時代から重要なたんぱく源 生活用具にも愛らしい姿で登場|タカ-凛然とした姿に亡国の誇り託す 武士台無しタカ飼いの文化開華|カブトムシ-たい肥の衰退とともに珍希種に 見た目の良さが現代人にもてる|コウモリ-西洋の嫌われ者は東洋の縁起物 迷走センセイによく似合うかも|カワセミ-文人らに愛された「生きた宝石」 『源氏物語』では黒髪の例えにも|ゴキブリ-見た目悪く病原体まく嫌われ者 飼育しやすく実験用に高い人気|ハト-軍神の使いとされ源氏と深い縁 丸く愛らしい姿が平和の象徴に|ホトトギス-黄泉へ導く鳥は勝家の辞世にも 風雅な声は文人たちに愛された|ラッコ-上下左右よくなびく上質な毛皮 千島では密猟者の手で激減した|ハクチョウ-天空駆ける「羽衣伝説」のモデル 穀物神としても信仰される霊鳥|ライチョウ-狩衣に、純白の浄衣に、「衣替え」 聖域を自由に舞う気品の貴族|セミ-「悲しさ」や「わびしさ」の情景が 似合う無情感ただよわせる
刊行年:2003/02
データ:『ことばの動物史-歴史と文学からみる』 明治書院